【シュタインズ・ゲート】世界線理論を分かりやすく解説!α、β、運命石の扉とは?
名作『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』の物語を理解する上で欠かせない、中心的な概念が「世界線理論」です。岡部倫太郎がDメールを送るたびに変動する数値「ダイバージェンス」とは何か?なぜ、まゆりは何度も死ななければならなかったのか?
この記事では、そんなシュタゲの根幹をなす世界線理論について、できるだけ分かりやすく解説していきます。
基本のキ!「世界線」と「ダイバージェンス」とは?
まず、基本となる2つの言葉の意味を理解しましょう。
- 世界線 (World Line):
過去から未来へと続く、無数に存在する可能性の一つ一つのこと。パラレルワールド(並行世界)と似ていますが、シュタゲの世界では一度に一つの世界線しか存在できず、過去改変が起こると、前の世界線は消滅し、新しい世界線に「再構築」されます。 - ダイバージェンス (Divergence):
物語の基準となる「β世界線」から、現在の世界線がどれだけ変動したかを示す数値です。この数値がわずかでも変わると、世界で起こる出来事が少しずつ変化します。岡部倫太郎が持つ特別な能力「リーディング・シュタイナー」は、この世界線の移動を記憶として保持できる能力です。
運命の大きな流れ「アトラクタフィールド」
無数にある世界線は、実はいくつかの大きな「束」に分かれています。この巨大な運命の束のことを「アトラクタフィールド」と呼びます。
同じアトラクタフィールドに属する世界線は、途中でどれだけ細かな出来事が変わっても、最終的には必ず同じ結末にたどり着くという強力な力が働いています。これを「世界線の収束」と呼びます。
例えるなら…
東京から大阪へ行くとして、新幹線で行くか、飛行機で行くか、ヒッチハイクで行くかという「過程(=世界線)」は無数にあります。しかし、どのルートを選んでも「大阪に着く」という「結末(=収束)」は変わらない。この「大阪へ向かう」という大きな流れ全体がアトラクタフィールドです。
物語で主に登場するのは、以下の2つのアトラクタフィールドです。
α(アルファ)アトラクタフィールド
- 収束する結末: 椎名まゆりの死
- ダイバージェンス: 0%台
- 特徴: 岡部が第1話で最初に送ったDメールによって移動した世界線。この世界線群では、岡部がどんなにあがいても、まゆりは2010年8月に必ず死んでしまいます。未来は、タイムマシンを独裁の道具として使う組織「SERN」によるディストピア社会となっています。
β(ベータ)アトラクタフィールド

- 収束する結末: 牧瀬紅莉栖の死
- ダイバージェンス: 1%台
- 特徴: 物語の基準となる世界線。こちらではまゆりは死にませんが、代わりに紅莉栖が2010年7月28日に必ず死んでしまいます。未来では、第三次世界大戦が勃発しています。
運命を変える鍵「シュタインズ・ゲート」
では、まゆりも紅莉栖も死なない、ハッピーエンドは存在しないのでしょうか?
それを実現するのが、どのアトラクタフィールドにも属さない、特別な世界線「シュタインズ・ゲート」です。
- ダイバージェンス: 1.048596%
- 特徴: α世界線の「まゆりの死」も、β世界線の「紅莉栖の死」も、どちらの結末にも収束しない唯一の世界線。岡部倫太郎がその存在を夢見て名付けた、まさに「運命石の扉」の選択の果てにある理想郷です。
物語の終盤、岡部が「世界を騙す」ことでこの世界線に到達する「オペレーション・スクルド」は、この作品最大の見せ場の一つと言えるでしょう。
まとめ
『シュタインズ・ゲート』の世界線理論は、一見複雑ですが、「結果が決まっている大きな運命の流れ(アトラクタフィールド)があり、その流れ自体を変えない限り、結末は変えられない」という点を押さえると、物語がより深く理解できます。
岡部倫太郎が、絶望的な運命に抗い、仲間を救うために無数の世界線を駆け巡る姿に、私たちは心を揺さぶられるのです。