【バイオハザード特集】進化の歴史と時系列を徹底解説!初心者へのおすすめはどの作品から?

閉ざされた洋館、うめき声をあげて迫り来るゾンビ、限られた弾薬、そして開くたびに心臓が跳ねるドア…。1996年、一つのゲームが「サバイバルホラー」というジャンルを確立し、ゲームの歴史にその名を刻みました。その名は『バイオハザード』。
カプコンが世に放ったこのシリーズは、誕生から25年以上が経過した今なお、世界中のプレイヤーに最高の「恐怖」と「エンターテイメント」を提供し続けています。
しかし、長い歴史の中でシリーズは様々な“進化”を遂げてきました。静寂の恐怖に震えた初期作、アクションの快感に満ちた中期作、そして再び原点を見つめ直した現代作。その変遷は、時にファンの間で大きな議論を巻き起こすほどです。
「作品が多すぎて、どれから遊べばいいかわからない…」
「時系列が複雑で、物語が繋がらない…」
この記事では、そんなあなたのための完全ガイドをお届けします。バイオハザードが歩んできた進化の歴史を3つの時代に分けて振り返り、複雑な物語の時系列を整理。そして、あなたが今始めるべき一本を提案します。
さあ、恐怖の扉を開ける準備はいいですか?
バイオハザード進化の歴史:3つの時代で振り返る「恐怖」の変遷
バイオハザードの歴史は、ゲームシステムの大きな変革と共に3つの時代に分けることができます。それぞれの時代が、どのような「恐怖」を追求してきたのかを見ていきましょう。
第1期:固定カメラとラジコン操作の“静”の恐怖(1996年~)

対象作品:『バイオハザード』『2』『3』『CODE:Veronica』『0』など
シリーズの原点である初期作品群。その恐怖の神髄は、「不自由さ」と「見えないこと」にありました。
- 固定カメラ:
プレイヤーは、まるで監視カメラから覗いているような、固定された視点でキャラクターを操作します。このため、カメラの死角から突然ゾンビが現れたり、物音はすれども姿は見えないという、視覚を制限されることによる根源的な恐怖が演出されました。

- ラジコン操作:
キャラクターの向きを基準に操作する独特の「ラジコン操作」は、意のままに動かせないもどかしさを生み、迫りくる脅威から逃げる際の焦燥感を増幅させました。

- リソース管理:
弾薬や回復アイテムは極端に少なく、セーブすら「インクリボン」というアイテムを消費するシビアさ。目の前の敵を倒すべきか、逃げるべきか。常にリソース管理を迫られる緊張感が、まさに「サバイバル」そのものでした。

謎解き要素も強く、閉鎖された空間を探索する恐怖。これこそが「サバイバルホラー」の原点です。
第2期:TPS視点への大転換と“動”の恐怖(2005年~)
対象作品:『バイオハザード4』『5』『6』『リベレーションズ』シリーズなど

この時代の幕開けは、ゲーム史に残る革命作『バイオハザード4』によってもたらされました。本作は、シリーズの常識を全て覆すフルモデルチェンジを敢行します。
- ビハインドビュー(TPS視点):
キャラクターの背後からの視点「ビハインドビュー」を本格的に採用。これにより、敵を狙って撃つというアクション性が飛躍的に向上し、世界中のTPSゲームに多大な影響を与えました。


- アクション性の強化:
敵の攻撃を弾く「ナイフパリィ」や、怯ませた敵に繰り出す「体術」など、プレイヤーが能動的に立ち回れるアクションが多数追加。恐怖だけでなく、敵を倒す「爽快感」が新たな魅力となりました。 - アクティブな敵:
敵はノロノロ歩くゾンビから、武器を使い、走り、連携してくる寄生生物「ガナード」や「マジニ」に。静かな恐怖から、大群に囲まれるパニック的な恐怖へと変化しました。

『5』や『6』ではCo-op(協力プレイ)も導入され、物語もバイオテロとの世界規模の戦いへとスケールアップ。シリーズがアクション超大作へと進化した時代です。


第3期:主観視点への再発明と“原点回帰”の恐怖(2017年~)
対象作品:『バイオハザード7 レジデント イービル』『バイオハザード ヴィレッジ』

アクション路線が極まった後、シリーズは再び大きな変革の時を迎えます。原点である「恐怖」に真正面から向き合うために、新たな視点を採用しました。
- アイソレートビュー(FPS視点):
『7』で採用された主観視点「アイソレートビュー」は、プレイヤーに圧倒的な没入感と、自分がそこにいるかのような臨場感をもたらしました。視界が狭まり、背後への警戒を常に強いられる恐怖は、初期バイオの感覚を現代に蘇らせました。

- 無力な主人公:
歴戦のヒーローではなく、ごく普通の一般人「イーサン・ウィンターズ」を主人公に据えたことで、プレイヤーは再び無力感と孤独なサバイバルを体験することに。

- 恐怖とアクションの融合:
続く『ヴィレッジ』では、『7』の没入感あふれる恐怖をベースに、『4』のような武器のカスタマイズや探索の楽しさ、多様な敵との戦闘といったアクション要素を見事に融合させ、シリーズの新たな到達点を示しました。

そして、この流れに並行して、シリーズの歴史を現代に繋ぐ「リメイク作品」の存在も忘れてはなりません。『RE:2』『RE:3』『RE:4』は、原作への愛と現代の技術を注ぎ込み、過去作の物語と恐怖を新たな世代に届けるという、大きな役割を果たしています。
物語の時系列一覧:複雑に絡み合うバイオテロの歴史
「ラクーンシティ壊滅」を軸に、多くの作品で物語が描かれてきたバイオハザード。ここでは、主要な物語の時系列を整理します。(リメイク版があるものは、そちらを基準にするのがおすすめです)
- バイオハザード0 (2002)
全ての始まり、黄道特急事件。レベッカが主人公。

- バイオハザード (RE:1) (1996/2002/2015)
全ての原点、洋館事件。S.T.A.R.S.のクリスとジルがアンブレラの陰謀に触れる。

- バイオハザード RE:3 (前半) (1999/2020)
ラクーンシティからの脱出劇が始まる。ジルが追跡者「ネメシス」に追われる。

- バイオハザード RE:2 (1998/2019)
ラクーンシティで発生した大規模なバイオハザード。新人警官レオンと、兄を探すクレアの物語。

- バイオハザード RE:3 (後半) (1999/2020)
ジルの脱出劇の結末と、ラクーンシティの消滅。
- バイオハザード CODE:Veronica (2000)
クレアが孤島の刑務所へ。クリスも登場し、ウェスカーとの因縁が深まる。

- バイオハザード4 (RE:4) (2005/2023)
ラクーン事件から6年後。エージェントとなったレオンが、大統領令嬢の救出任務に赴く。

- バイオハザード リベレーションズ (2012)
ジルとクリスが豪華客船を舞台にバイオテロに挑む。

- バイオハザード5 (2009)
アフリカを舞台に、クリスが長年の宿敵ウェスカーとの決着に挑む。

- バイオハザード リベレーションズ2 (2015)
クレアと、バリーの娘モイラが主人公。孤島からの脱出を描く。

- バイオハザード6 (2012)
全世界を舞台にした最大規模のバイオテロ。レオン、クリスなど複数の主人公が登場。

- バイオハザード7 レジデント イービル (2017)
物語の主軸が一新。イーサン・ウィンターズが、行方不明の妻を追いルイジアナの邸へ。

- バイオハザード ヴィレッジ (2021)
『7』の続編。イーサンが、奪われた娘を取り戻すため謎の村を探索する。

初心者へのおすすめは? あなたに合った「恐怖」の入り口
「じゃあ、結局どこから始めればいいの?」という疑問に、プレイスタイル別でお答えします!
【とにかく怖い体験がしたいなら】 → 『バイオハザード7』 or 『RE:2』
- バイオハザード7:
主観視点による圧倒的な没入感はシリーズ随一。物語も独立性が高いため、予備知識ゼロで純粋な恐怖を味わえます。VRでプレイすれば、一生忘れられない体験になるでしょう。

- バイオハザード RE:2:
サバイバルホラーの傑作を現代の技術で蘇らせた、リメイクのお手本。暗い警察署を探索する緊張感、無敵の追跡者「タイラント」から逃げ回る恐怖は格別です。

【爽快なアクションを楽しみたいなら】 → 『バイオハザード RE:4』 or 『ヴィレッジ』
- バイオハザード RE:4:
アクションゲームの金字塔をリメイクした、面白さが保証された一本。敵を倒す爽快感と、ギリギリの戦いを切り抜ける緊張感のバランスが完璧。ストーリーも独立しており始めやすいです。

- バイオハザード ヴィレッジ:
ホラーとアクションの見事な融合。不気味な城や村を探索するワクワク感と、個性豊かなボスたちとの手に汗握るバトルが楽しめます。『7』の後にプレイするのがおすすめです。

【壮大な物語を最初から追いたいなら】 → 『バイオハザード HDリマスター(RE:1)』
- バイオハザード HDリマスター:
全ての物語の始まり。操作には慣れが必要ですが、それを乗り越えた先には、洋館をさまよう独特の恐怖と、謎が解けた時のカタルシスが待っています。ここから時系列順に追っていくのも一興です。


まとめ:進化し続けるサバイバルホラーの金字塔
「静」の恐怖でプレイヤーを震え上がらせ、「動」の恐怖でプレイヤーを熱狂させ、そして再び「個」の恐怖で我々を没入させる。
バイオハザードシリーズの歴史は、決して一本道ではありませんでした。それは、常に自己変革を恐れず、その時代で最高の「恐怖」と「エンターテイメント」とは何かを問い続けてきた、挑戦の歴史そのものです。
原点回帰と革新を繰り返しながら、この偉大なシリーズはこれからもきっと、私たちの想像を超える恐怖で楽しませてくれるでしょう。
あなたの心に最も深く刻まれた「恐怖」の記憶は、どのバイオハザードですか?

